異物シリーズ Part.1

画像レッスンでは、あらゆる画像を確認しながら見落としてしまいそうな症例や診断についてを学んでいただくまなびの「場」です。

今回のレッスンはこちら▷「異物シリーズ Part.1」です。

皆さん、異物?と聞くと何が思い浮かぶでしょうか?

小さなお子様などは、果物の種やボタン電池、硬貨などの誤飲がニュースなどでも取り上げられることがあると思います。

高齢者の方ですと、PTPシート(お薬などの包装シート)・歯・魚の骨・餅などを喉に詰まらせてしまったというニュースもよく目にすると思います。

さて異物が混入した場合、病院での検査ではどのようにするか?皆さんは知っていますか?

答えは、CT検査が大半の割合を占めています。

胸部・腹部X線でも確認することも可能ではありますが、、正確な位置や物体・物質の判断はCTの方が優れているんです。。

金属製の物はX線写真のほうが見やすい場合もありますが・・。

画像A

さて、この画像は食道のCT画像です。

白い線がみえますが、これは何だと思いますか?

一見すると、食道に何かが詰まっているように見えますよね?。

これは、PTPシートと呼ばれており、病院や薬局でお薬をもらう際にを包装しているアルミなどの薄いシートとプラスチックで1錠ずつ分けて、包装したもののことです。

非常に小さいことや飲み忘れがないようにと一錠ずつ切り離して利用する為、多くの人が、誤飲しやすいものの一つなんです。

喉に違和感を感じたり、うっかり飲み込んでしまった場合は、すぐに医療機関を受診してください。。喉を圧迫してしまい、呼吸ができなくなるということもある為、幼児や高齢者にとっては命に関わる場合も想定されます。

受診した時は、X線写真とCTを撮像します。

CT読影のポイントは、(ここからは、放射線技師・医師のワンポイント!)

(1)消化管構造を追跡すること(食道→胃→十二指腸のように追っていく)

(2)Window幅を適宜調整すること

が大切なポイントになります。

診療放射線技師は、患者に誤飲の有無を確認し、今現在痛む場所、ひっかかっている場所を聞くことも非常に重要なポイントになります。

処置内容は、自然排出か内視鏡で取り除きます。

画像B

つづいて、画像Bは腸管にある異物のCT画像です。

こちらは歯です。

歯科の治療中に誤飲しました。

これも、幼児や高齢者に多いケースの一つです。

対処法としては、特に胃の痛みがない場合は問題なく、2〜3日、遅くても一週間で体外へ排出されます。

ただし、歯を誤飲した直後に、激しいむせやせき込みが生じた場合は、気道に入り込んでいる可能性が高いため、極めて危険な状態といえるので、一刻も早く耳鼻咽喉科などを受診することをお勧めします。

このように、誤飲には様々なケースがありますが、状況に応じて、すぐに医療機関を受診することで大きな事故につながる恐れを防いでくれます。

本日のワンポイントレッスンは以上です。

今回の画像は、誤飲した場合のCT画像および対処法を交えてご紹介しました。

皆様にとって学びになれば幸いです。次回もお楽しみに。