画像レッスンでは、あらゆる画像を確認しながら見落としてしまいそうな症例や診断についてを学んでいただくまなびの「場」です。

今回のレッスンはこちら▷「急性腹症(きゅうせいふくしょう)」です。

急性腹症とは、急激に起こる激しい腹痛のことで、発症1週間以内の場合、手術などの迅速な対応が必要な疾患のことをいいます。

ほとんどの場合は、短時間に急激に症状が増悪し、開腹手術を余儀なくされることが多いです。

急性腹症で思い浮かぶ病気といえば、

胃潰瘍(いかいよう)や膵炎(すいえん)、胆嚢炎(たんのうえん)、虫垂炎(盲腸)などが有名な症状です。

画像A(左)と画像B(右)

画像Aと画像Bを見比べてみましょう。

矢印の場所にairを認めます。(検査では発見することを認めるといいます。)

この画像の症例は、free air※(消化管穿孔)という症状になります。

※free air:胃や大腸など、消化管に穴が開くと中の空気が腹腔内に漏れ出し、 腹腔内にある空気が上に集まるため、横隔膜の下に空気のたまり映ることいい、胃の壁を突き破って穴が開くことがあります。

放置すると腹膜炎が進行するため、抗菌薬の投与と、場合によっては緊急手術が必要になります。

この画像Bをご覧いただくとfree airが確認できるため、消化管穿孔(しょうかかんせいこう)

であると分かるわけです。

消化管穿孔とは、何らかの原因で消化管に孔が開き、腸管の内容物が腹腔内に漏れることで、腹膜炎を引き起こす疾患です。

意識やバイタルが安定していることより、まずは保存的療法と言われる(「絶食・胃管挿入・輸液」といった診察で)で経過を観察します。

画像C 

画像Cは、実際に医師国家試験問題にも取り上げられ、臨床現場では一刻も早く処置が必要な症例で、見落としてはいけない症例が急性腹症です。

消化管穿孔は、あらゆる部位でも生じてしまう可能性があり、胃や腸管の内容物が腹腔内に放出されてしまうことが多々あります。

その時の症状は、突然重度の痛みを伴って、その直後に激しい痛みからショックになることがある為、非常に危険です。

通常ですと画像検査で腹腔内に遊離ガスが認められることが多く、

CTで撮像する上での重要なポイントとして

①肺野条件と他条件を併行して検索 

※腹部条件だけだとairを見落とす可能性あり

②腸管内or外を見分けるには根気強く腸管を追うしかない

以上、2点が挙げられます。

腸の穿孔(せいこう)が診断された場合は、早急に手術が必要となりますが、
医師は、穿孔(せいこう)の場所と原因をしっかりと見極めて、
慎重にどの箇所での手術を行うべきかを判断しているのです。
手術の場合は、まず腸の内容物を腹腔や胸腔へ漏れ出さないように止めることから始めます。
術前には、輸液と抗菌薬の静脈内投与が行われ、細いチューブを鼻から胃まで入れて胃液を吸引し、
穿孔部分から流れ出ないようにするとともに、腸内の圧力を減圧します。
このように急な腹痛にもさまざまな症状がある為、
しっかりとまずは医師への相談を行い適切な診断の下で危険を回避していくことが大切です。

参考資料:MSDマニュアル

本日のワンポイントレッスンは以上になります。

今回の画像は、free air(消化管穿孔)についてのご紹介でした。

異物シリーズPart.2でした。次回も皆さんと一緒に画像で学び、画像の奥深さを知ってもらえたら嬉しいです。次回もお楽しみに。