不明熱から見抜く隠された所見を探し出す

画像レッスンでは、あらゆる画像を確認しながら見落としてしまいそうな症例や診断についてを学んでいただくまなびの「場」です。

今回のレッスンはこちら▷「不明熱から見抜く隠された所見を探し出す!」です。

不明熱で検査を行った患者様の精査したところ、非常に重要な所見が隠されていました。

みなさんはお分かりでしょうか?

単純CT(左)造影CT横断像(右)

造影CT冠状断像(左) 数日前の単純CT(右)

それでは詳しく解説していきましょう。

単純CTでは、分かりにくいのですが上行結腸の内側から上壁が肥厚していることがみられます。

造影CTでは、同病変が造影されているのが分かりますか?

通常、正常結腸の壁の厚さは約5mmと言われていますが、腸管が過剰に伸展されるとそれ以下の厚さに薄くなってしまうのです。

また、蠕動(ぜんどう)運動により、腸管壁自体が収縮すると正常厚みである5mmよりも大きくなることがあり、腸管壁は、日常的に生理的な変化を生じていることになるのです。

上の画像、単純CT・造影CT・造影CT冠状断像の病変部以外の上行結腸の厚さは1-2mm程度で、

内側分の壁が有意に厚くなっていることがわかります。つまりは、蠕動による毛羽の収縮は肥厚ではないと考えることができるのです。

さまざまな画像の要所部分

一番左の画像は、数日前の単純CTの画像で、この時点でも同様の壁肥厚が観察できるため、恒常的な病変ではないか?と思われます。

これら全ての所見から大腸癌を疑うこともできますが、便潜血のような消化管の症状はなく、見落とされるところでした。

CTによる腸管病変の指摘は、正直大変難しいです。しかしながら、このように腸管が適度に拡張し、壁が伸展している場合は、腸管病変を指摘できることがあります。

腸管もしっかり観察することが画像診断士として重要度となります。

本日のワンポイントレッスンは、不明熱から所見を見抜いていきましたがいかがでしょうか?

腸管病変は非常に見分けることが難しいため、様々なCT画像を撮影し注意深く画像から読み解くことが求められます。

次回はいくつかの画像から隠された症状を見抜け!をシリーズにてお届けしていきたいと思います。