トリカター頭蓋骨・顔面のレントゲンPart.1ー
撮影ポイントを各部位ごとに細かく解説した放射線医師・技師のため情報をお届けします。
今後の勤務の際にお役立てください。
今回の部位は「頭蓋骨・顔面のレントゲンPart.1」です。
撮影概要とポイントについて
・頭蓋骨/顔面 正面
P→A方向で撮影
おでこをカセッテにつける
・頭蓋骨/顔面/鼻骨 側面
左右対称
体動に注意
鼻骨側面はグリッド(-)で軟線撮影
撮影条件
頭蓋骨正面・側面
管電圧:80kV
管電流:200mA
撮影時間0.10sec
撮影距離130cm
鼻骨側面(軟線撮影)
管電圧:55kV
管電流:100mA
撮影時間0.40sec
撮影距離100cm
頭蓋骨/顔面正面の撮影
P→A方向で撮影しています。
患者さんにはブッキー台の方を向いていただき、おでこをつけていただくように指示します。
※Pisterior:後ろ Anterior:前
患者さんの後ろから左右のオリエンテーション(傾き)を確認し、左右対称になるように両外耳孔とブッキー台の距離を合わせます。
※OMライン:Orbitmeatal base line—眼窩外耳孔線:眼窩中心と外耳孔中心を結ぶ線
次に横から見てOMラインの外眼角(目じり)と外耳孔中心を結ぶ線を合わせます。
青い点:眼窩中心、外眼角(目じり)
黄い点:外耳孔中心
OMラインが水平になっているか確認します。
最後に頭部全体が照射野に含まれていることを確認し、撮影を行います。
頭蓋骨/顔面側面の撮影
正面を撮影した後に側面の撮影を行います。患者さんにはそのまま横を向くようにしお願いをします。
横を向いていただいたら、今患者さんの前に移動し、前から撮影位置・角度を合わせ、左右対象になっているか、確認します。両側外眼角(目じり)を結ぶ線が、水平になっているか確認し、照射中心線は外眼角から耳介根部を結んだ線の2/3の点に入射します。後頭部や下顎が照射野に含まれているか確認します。
鼻骨側面の撮影
軟線撮影のため、グリッド・リスを抜いて撮影を行います。
※軟線撮影とは、X線が体を通り抜けるように管電圧を低くして撮影すること
頭部側面撮影と位置合わせは同じです。
中心線を鼻に合わせ、撮影を行います。
実際のレントゲン
頭蓋骨/顔面正面・側面の撮影レントゲン画像
左右対称のチェック
→眼窩辺縁と側頭骨辺縁の幅が両側で同じになっているか確認します。
入射角度のチェック
→内耳道が眼窩の中央に位置しているか確認します。
頭蓋骨の拡大、変形、非対称性をみる。(骨縫合の状態、骨折線など)
左右対称のチェック
→トルコ鞍が重なり外耳孔がそろっているか、下顎骨のずれがないかを確認します。
撮影範囲のチェック
→下顎や後頭部を含んだ画像になっているか確認します。
トルコ鞍の形状を確認し、トルコ鞍の拡大がないか、鞍上部の石灰化等は腫瘍の可能性があるので要確認です。
鼻骨側面のレントゲン画像
患部が右側にある場合はL→R方向での撮影を行う。
鼻骨を観察したい場合は軟線撮影することで、このように撮影することができます。
動画で確認したい方はこちらのURLより視聴して頂けますので、ぜひよろしくお願いいたします!
https://www.umu.co/ssu_bprT89a7
以上が頭蓋骨・顔面のレントゲンPart.1の撮影ポイントとなります。
ご覧いただきありがとうございました。
[/if-login]