放射線検査の種類と特徴ーIVR検査ー
こんにちは、Radiation Journal 編集部です。
みなさんも一度は体験したことのある”画像診断検査”。
検査といっても実はいくつかの種類に分類され、何を診断するかによっても検査方法が異なるのです。
前回は、皆さんもよく知っているMRIやCT検査について解説していきました。今回は、みなさんにあまり知られていない「IVR検査」についてお話ししたいと思います。
IVRとは・・・?
IVRとは”Interventional Radiology(インターベンショナルラジオロジー)”の訳で日本語にすると、「画像下治療」のことを言います。
なかなかイメージが湧かないワードだと思います。
IVRとは、X線を利用し、透視下画像装置というものを用いて体の中を透かして見ながら、細い医療器具(カテーテルや針)を入れて、標的となる病気の治療を行うことを言います。
IVRの特徴は、ずばり!
外科手術のようにお腹や胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法であり、体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。
カテーテルを入れる血管径も非常に小さく、処置後の血管が傷つくことはほとんどありません。
IVRでは、造影剤を流し、血液が漏れている場所や出血している場所を探し、すぐに止血することができます。
急性疾患の場合、IVR治療を選択することにより命を救うことに役立つことが、IVRの最も得意な領域の一つと言えるでしょう。
IVR治療の代表例として、冠動脈と呼ばれる心臓の筋肉に栄養を送っている血管があります。これが、狭窄または閉塞している場合に、にステントと呼ばれる金属メッシュ管を利用し、血管を拡張させる手術や脳動脈瘤内にプラチナ製のコイルを詰めて動脈瘤を閉塞するコイル塞栓術などが挙げられます。
IVRの治療は短時間で終わることが多く、入院期間が短いという利点があります。
しかし、治療中に一定の放射線量を浴びることも事実です。
患者様の命を第一に考え、被ばくの危険性については主治医の説明をしっかりと聞き、
治療を受けるかどうかを判断していただく必要がありますが、近年の医療機器の進歩は目覚ましく、低い放射線量で治療することができるようになりました。
このような、X線を利用し、体にほとんど傷を残さない優しい治療であることを、ぜひ多くの方々に知っていただくことで、今後の診察の際のご自身や周りの大切な人の判断基準のご参考になればと思います。
参考資料:一般社団法人 日本インターベンショナルラジオロジー学会
今回はIVR検査(画像下治療)について詳しくご紹介しました。
次回は、RI検査について詳しくご紹介していきたいと思います。