【連載】医療Ai(死亡時画像診断)について Vol.2「Aiで利用される画像診断技術」
このコラムでは、医療Ai(死亡画像診断)をテーマに、皆さんに分かりやすように、尚且つ専門性を維持しながらお伝えしていきたいと思います。
Aiについて現状と課題、将来への展望を把握できるように、Aiを推進していくことで、社会に貢献できればと思います。
皆さまは「Ai」と聞くとIT・テクノロジーのイメージを多くの方がお持ちになると思います。
医療現場では、Aiを死亡画像診断と言います。
連載シリーズ第2回目はこの「Aiで利用される画像診断技術」について少し深く解説していきたいと思います。
Aiで利用される画像診断技術
Aiでは、死亡した人の体内を非侵襲的(ひしんしゅうてき)※に検査することで、死因や病変の特定を目的とした医学的手法です。
主にCT(コンピュータ断層撮影)、MRI検査(磁気共鳴画像法)、X線などの画像診断が用いられます。これらの技術は、遺体に触れずに、軟部組織や骨構造を詳細に観察できるため、従来の検案と比較して高い精度と効率が期待されています。
Aiは、法医学における死因究明や犯罪捜査に役立つほか、病理学との連携により、病変の理解を深めることが可能です。
デュアルエネルギーCT(Dual-energy CT)は、異なるエネルギーのX線を利用して同時に撮影することで、より詳細な情報を得ることができます。
フォトンカウンティングCT(Photon-counting CT)※は、現在のCT検出器の限界を克服する可能性を秘めており、非常に高い空間分解能で、電子ノイズがなく、コントラスト分解能が改善されたCTデータを得ることができる最新の技術です。高解像度MRIは、より高い磁場強度を利用して高解像度の画像を得ることができます。これらの技術により、微細な組織構造や病変の詳細な特徴をより正確に把握することができます。
※非侵襲的:「生体を傷つけないような」という意味。身体に負担を与えないことを意味し、や身体の開口部に器具の挿入を必要としない手技に対して用いられます。
※フォトンカウンティングCTの検出器はX線を直接電気信号に変換しており、X線の光子1つ1つのエネルギー情報を検出できる技術が搭載。
次回は、病理学とAiについて触れていきたいと思います。