放射線検査の種類-超音波検査-

こんにちは、Radiation Journal 編集部です。

”画像診断検査”。みなさんも一度は体験したことのあるのではないでしょうか?

画像診断検査とは、何を画像診断するかによって、検査の方法が異なるため、いくつかの種類に分類されています。

前回は、RI検査とよばれる特殊な検査について解説していきました。

今回は、皆さんも一度は聞いたことがある「超音波検査」についてお話ししたいと思います。

超音波装置

超音波検査とは・・・?

超音波検査とは、文字通り超音波とよばれる人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ音の1種を利用して体の中を観察する検査です。

どのように画像化しているかというと、超音波を身体に当て、その超音波を体内で反射し、反射してきた超音波をとらえて画像化しています。

超音波検査は、他の画像診断検査と違い、放射線を使わないという大きな特徴があります。

通常のレントゲン検査やCT検査といった放射線を使用した画像検査では、人に危害を及ぼさない程度での被曝はありますが、超音波検査では、被曝することは、まずありません。MRI検査も磁気を使用しているため被曝することはありません。

MRI検査と大きな違いというと、検査中MRI検査時では、長時間MRI検査専用の空間に入り検査行いますが、超音波検査では、超音波を身体に当てて検査を行うので、まれにいらっしゃる閉所恐怖症の方も検査可能です。

健康診断では、腹部超音波検査をされた経験もある方はいらっしゃるのではないかと思いますが、これは、被曝をせず容易に体の中を観察できることから健康診断で使用されているのです。

また、超音波検査の装置は、持ち運びしやすく、場所も必要としないことから訪問診療などでも活躍しています。また、検査時間も20分程度と短いため、患者様の負担も少ないところが特徴です。

そして、もう1つ超音波検査が、他の画像診断検査と大きく違う点があります。

それは、リアルタイムで画像(読影)が観察できる点です。これは、患者様の体内の動きをすぐに評価(診断)できるということです。

そのため超音波検査は、心臓の動きや血の流れといった血管など動的なエリア(部位)を画像診断する上でとても最適な検査方法でもあるのです。なので、一般的に、心臓の画像診断検査や血管の画像診断の検査には超音波検査を用いているのです。

最近では、整形外科でも腱や筋の動きを検査できるということで、よく使用されています。

超音波で検査される部位は腹部・心臓・血管・骨盤内・運動器(整形)・乳腺・皮下・リンパ節などがあります。

心臓の超音波画像
運動器の超音波画像

このように、超音波検査ではいろいろな部位が検査できることがおわかりいただけたでしょうか?、もちろん、中には検査できない部位もあります。

それは、肺や骨・脳です。

肺は、空気で満ちています。空気は超音波が拡散されてしまい、反射されず画像化できないため超音波検査には適していません。

また、脳においては、頭蓋骨という硬い骨で囲われており、頭蓋骨によって超音波が反射してしまい、通ることができないため、超音波検査ができないのです。

このように画像診断の検査装置によって、得意不得意があるため、放射線医師や技師はその時々によって適した画像診断検査によって患者様の身体を検査させていただいています。

低侵襲性の検査では、超音波検査は、容易に動態検査が行える唯一の検査といえるのではないでしょうか。

先ほども述べたとおり、検査できない部位や患者さんの状態によっては、超音波検査が難しい状況もありますので、その時々により、CT検査やMRI検査、レントゲン検査などが選択されます。

 診療を受ける際の選択肢の1つとして、今後の画像診断での判断基準のご参考に覚えていただければと思います。

今回は、「超音波検査」についてご紹介いたしました。