新人技師に求めるもの:「質」「量」でなく「スピード」

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記事の監修医師

中山 善晴

【略歴】
熊本大学医学部卒業

【資格/役職】
放射線診断専門医 医学博士
株式会社ワイズ・リーディング 代表取締役兼CEO
医療法人社団 寿量会 熊本機能病院 画像診断センター長
熊本大学医学部 臨床教授

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こんにちは。ラジエーションジャーナル編集部、診療放射線技師の林です。

寒さも和らぎ長い冬もどこかへ、いつの間にか新しい季節となりました。

新年度もスタートし、今月から新たに技師の仲間として加わった方もいらっしゃると思います。16年前春、私も新人技師としていろいろと覚えなければならないことが多い日々を過ごしていたことを今でも思い出せます。

今回の記事では、新人技師に求めたいものをまとめてみたので読んでいただくと嬉しいです。

教科書には載っていない、新人に伝えたい「仕事のコツ」

新人教育でよく言われるのが、「挨拶をしっかりする」「同じ質問をしない」「ミスを隠さない」など、これらもすごく大切なことで言ってしまえば当たり前のことです。でも私が新人さんに求める一番のことは仕事のコツを掴むということです。

任された撮影業務を効率よくこなし、担当した検査などを着実に実施していくためにはコツを掴むことがすごく重要です。

ここで考えたいのが仕事において求められる「質」「量」「スピード」3つのキーワード。どれが一番大事か、私は「スピード」だと考えています。

質を高めることは大切なことではありますが、量をこなさないと質は高まりません。なので撮影経験の少ない新人技師が超一流の画像を撮影し提供することは不可能なことです。もちろん一緒に働く先輩たちもそれを求めていません(と思いますが)。また撮影業務に慣れていない、仕事のコツも掴んでいない新人技師に撮影「量」を求めることもしません。なので必然的に新人技師には「スピード」を求めます。

『この業務やってみよう』と思ったらすぐ考えたり行動したりする”スピード感”。仕事や企画を与えられてから反応する”スピード感”。これが遅い技師で仕事ができる人だなと私は思ったことがありません。

多くの人が大事にしていると明言するのが「質」。これは間違っていると思います。

私が考える仕事の「質」を求めスピード感を優先していない人、言い方を変えると仕事が遅い人の特徴としては、

・こだわりが強く、細かなところに気を取られすぎる

・気が重い業務ややりたくない仕事を後回しにしがち

・タスク整理ができず、優先順位が付けられていない

・起こしてしまったミスに気持ちを切り替えられず引きずってしまう

などの傾向があります。仕事ができる人材、信頼できる人材とは言えませんね。

技師の性質上、真面目すぎる人が多いです。なので順番を間違え、上記特徴に当てはまってしまっている方も少なくはないでしょう。もちろん医療現場において「質」は大切な項目です。それは命に関わる現場であるからです。ですが、「スピード」感を持って、「量」をこなした結果、残るのが「質」であり、経験が乏しい新人の時期は順番が逆ではいけません。ミスを起こしたり、その際先輩から指摘されたりすることも多くあると思いますが、それは期間限定なものと考えて欲しいです。決して完璧主義になりすぎないようにして欲しいものです。

今回もご覧いただきありがとうございました。また次回もお楽しみに。

新人技師さん、応援しています!!頑張りましょう!