遠隔読影の費用相場は?導入・運用にかかる料金の内訳と安く抑えるポイント

遠隔読影サービスの導入を検討する際、多くの医療機関が直面するのが「費用」に関する不安です。
「一人でクリニックを運営しており読影リソースに限界がある」、「画像診断に専門的な知見を取り入れたい」などの理由から、遠隔読影の導入を検討する医療機関は増えていますが、導入や運用にかかる費用がどれくらいなのかはわかりにくいのではないでしょうか。
本記事では、遠隔読影の導入・運用にかかる費用の内訳や、CT・MRIなど検査ごとの読影料の相場、加算料金の詳細まで詳しく解説します。
遠隔読影の導入・運用にかかる費用相場
遠隔読影の導入・運用にかかる費用は、導入時の初期費用、毎月の運用にかかる月額費用、検査1件ごとの読影費用の3つに分けられます。
以下に、それぞれの費用について表にまとめました。
費用項目 | 内容の概要 | 相場の目安(税別) | 備考 |
初期費用 | システム導入、端末設定、クラウド環境構築など | 0円〜10万円程度 | クラウド型は0円、オンプレ型は高額になる傾向あり |
月額費用 | 保守・管理・クラウド利用料・データ転送費など | 1万円〜5万円程度 | プラン内容や依頼件数により変動 |
読影費用 | 画像1件あたりの読影・所見作成の費用 | 一般撮影:500円〜CT/MRI:2,000〜3,300円程度 | 件数によりディスカウントあり、追加料金の有無に注意 |
このように、料金は提供会社や契約内容によって幅があります。
導入検討時は、費用の内訳だけでなく、オプションの有無や割引条件、加算対象の確認を行うことで、無駄のないプラン選定ができます。
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初期費用
遠隔読影サービスを導入する際には、専用サーバや周辺機器の購入、ソフトウェアやネットワーク環境の構築などの初期費用が発生します。
また、遠隔読影サービスには以下の2種類の方式があり、それぞれの方式によっても費用が異なります。
- クラウド型:オンライン上のサーバーを利用する方式
- オンプレミス型:自社サーバーと社内ネットワークを利用する方式
クラウド型サービスでは初期費用が0円の場合もありますが、オンプレミス型では数万〜20万円以上の費用がかかるケースもあります。
また、初期費用には院内システムとの連携方法(PACS接続・レポート連携・オーダー連携)によって大きく差が出る場合もあるでしょう。
導入前には費用の内訳や必要な設備、サポート体制を確認することが大切です。
月額費用
遠隔読影サービスの月額費用は、システムの保守・運用や、画像の転送・保存などにかかる費用です。
料金は1万〜5万円前後が一般的ですが、契約する件数や連携機能、利用プランにより変動します。
なお、クラウド型のサービスでは、端末数に制限がない代わりに、件数やスライス数に応じた利用制限が設けられている場合もあります。
利用頻度や診療スタイルに応じて、自院にとって無駄のないプランを選ぶことがコストを抑えるポイントです。
読影費用
読影費用とは、画像1件ごとにかかる基本的な料金で、検査の種類や依頼条件によって変動します。
たとえば、X線読影では500円〜、CTやMRIの読影では2,000円〜3,300円程度が相場です。
読影件数に応じて単価が割引されるボリュームディスカウントを導入している企業もあり、目安として月200件以上の依頼がある場合にはコスト削減が期待できます。
また、検査部位の数やスライス枚数、時間外対応の有無などに応じて加算料金が発生する場合もあるため、見積もり時にはオプションの有無や条件を必ず確認しましょう。
読影費用の内訳・相場
遠隔読影サービスの読影費用は、1件あたり500円〜3,500円程度が相場です。
X線やマンモグラフィでは比較的安価で、CTやMRIのような高度な画像診断では2,000〜3,500円程度になります。
読影費用のほかに、部位加算、スライス加算、時間外料金、オプション料金が発生するケースもあるため、総額でどの程度の負担になるかを見積もることが重要です。
読影料
読影料は、検査画像1件ごとに発生する基本的な料金です。
検査の種類によって費用は異なり、検査種別の費用相場は以下のとおりです。
検査種別 | 費用相場(1件あたり) |
CT検査 | 2,000〜3,500円 |
MRI検査 | 2,500〜3,500円 |
マンモグラフィ | 1,300〜2,000円 |
胸部単純撮影 | 550〜900円 |
胃部造影撮影 | 850〜1,200円 |
一律料金を採用している企業もありますが、検査内容によって料金体系が細かく分かれているケースが多いです。
部位加算料金
部位加算料金は、複数の部位を同時に読影依頼する場合に追加される料金です。
たとえば、胸部と腹部の2部位を依頼すると、基本料金に加え1部位あたり1,000〜3,000円程度の加算が発生します。
加算料金の有無や上限の設定はサービス提供会社によって異なるため、複数部位の検査が多い医療機関は事前に確認しておきましょう。
スライス加算料金
スライス加算は、CTやMRIの画像枚数(スライス数)が一定以上になる場合に発生する追加料金です。
たとえば、100枚や200枚を超える場合に加算対象となり、加算単価は契約内容や提供会社により異なります。
高精度の診断を行うにはスライス枚数が多くなるため、スライス加算の有無とその金額は非常に重要な判断要素です。
時間外料金
時間外料金は、夜間・土日祝日などの時間帯に読影を依頼した場合に加算される費用です。
1件あたり500〜1,000円程度が相場で、対応可能な時間帯や加算条件は企業ごとに異なります。
そのため、導入前にはサービスの対応時間と時間外料金の設定を確認しておくと安心です。
その他オプション料金
その他のオプション料金には、再読影・セカンドオピニオン対応・特急納品・読影医の指名などの追加サービスにかかる費用が含まれます。
オプションの範囲や料金設定はサービスによって差が大きいため、標準サービスにどこまで含まれており、どのようなオプションに追加費用がかかるのかを把握しておくことが大切です。
とくに緊急読影や検診用途での依頼が多い場合は、こうした費用を見込んだ契約設計が必要です。
遠隔読影の費用を抑えるためのポイント
遠隔読影の導入にあたっては、費用を最小限に抑えるための工夫が重要です。
単に安い業者を選ぶのではなく、必要な品質を確保しつつ、無駄なコストを避ける視点が求められます。
遠隔読影の費用を抑えるためのポイントには、主に以下の3つが挙げられます。
- 複数社からの見積もり取得
- クラウド型の活用
- 加算費用のない料金体系の選択
続いて、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
複数社から見積もりをとる
前述のとおり、遠隔読影サービスの費用は、提供会社によって幅があります。
そのため、導入前には必ず複数社から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することが重要です。
見積もり時にチェックすべき主な項目は、初期費用・月額費用・読影単価・加算費用の有無・レポート納期などです。
機器導入費用が安価なクラウド型を選ぶ
コストを抑えるうえでは、クラウド型の遠隔読影サービスを選ぶのがおすすめです。
クラウド型のサービスは、専用のサーバやITインフラの導入が不要なため、初期費用を大幅に削減できます。
たとえば、オンプレミス型で初期費用が30〜50万円かかる場合でも、クラウド型なら0〜10万円程度で導入できるケースもあります。
また、保守やアップデートも自動で行われるため、運用面の手間やコストも軽減できる点もクラウド型の大きなメリットです。
そのため、中小規模の医療機関には適していますが、一方で規模の大きい施設や1日の依頼件数が多い施設はオンプレミスがおすすめです。
部位加算費用・スライス加算費用なしのサービスを選ぶ
読影件数が増えるほどコストに影響するのが「部位加算」や「スライス加算」です。
これらの加算料金がない定額制のサービスを選ぶことで、予算管理がしやすくなります。
とくに1検査で複数の部位・スライス画像を扱う医療機関では、加算の有無によってランニングコストに大きな差が生じます。
年間数十万円単位のコスト削減も期待できるため、料金体系の確認は必須です。
Y’s REPORT CLOUDでは、初期費用・月額費用が無料、さらに部位やスライスによる加算もなく、費用を抑えながら放射線診断専門医による遠隔読影サービスを利用できます。
2週間の無料トライアルも実施しているため、遠隔読影サービスの導入・乗換を検討中の方はぜひ一度お試しください。
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遠隔読影の大手8社の費用を比較
遠隔読影サービスを提供している大手各社の費用を比較することで、自院にとって最適なプランを見つけやすくなります。
以下に、2025年5月時点の情報をもとに、大手8社の料金をまとめました。
会社名 | 初期費用 | 月額費用 | 読影費用(CT/MRI) | 部位加算 | スライス加算 |
ワイズ・リーディング | 0円 | 0円 | 3,300円/件(税込) | なし | なし |
A社 | 0円(ゼロパッケージ) | – | 2,750円/件(税込) | なし | – |
B社 | 88,000円~165,000円(税込) | 55,000円(税込) | CT:2,200円/部位(税込)MRI:2,750円/部位(税込) | – | 100枚から加算あり |
C社 | – | 33,000~82,500円(税込) | CT・MRI:2,750円/部位(税込) | – | – |
D社 | 165,000円(税込)/DICOM接続・連携無220,000円(税込)/DICOM接続・連携有 | 38,500円(税込)/DICOM接続・連携無49,500円(税込)/DICOM接続・連携有 | CT・MRI:3,080円/件(税込) | – | – |
E社 | 55,000円(税込) | 66,000円(税込) | 3,300円/部位(税込) | あり | 201枚から加算あり |
F社 | 110,000円~(税込) | 44,000円(税込) | CT/MRI:3,300円/件(税込) | なし | – |
G社 | 0円(税込)/簡易タイプ198,000円(税込)/標準タイプ198,000円~(税込)/システム連携タイプ | 0円/簡易タイプ55,000円(税込)/標準タイプ55,000円~(税込)/システム連携タイプ | CT/MR/RI:3,300円/件(税込) | なし | なし |
このように、サービスによって料金体系や加算の有無に大きな違いがあります。
単純な価格だけでなく、「トータルでいくらかかるか」「自院の検査内容に合っているか」を踏まえた比較が重要です。
また、料金だけでなく読影の質や納期対応など、サービス全体のバランスも考慮しましょう。
遠隔画像診断の費用に関するよくある質問
遠隔画像診断サービスの導入を検討する際、もっとも多く寄せられるのが「費用」に関する疑問です。
とくに、読影医の雇用コストとの比較や、サービスごとの料金体系の違い、品質とのバランスなどは導入前に把握しておきたい重要なポイントです。
以下では、遠隔画像診断の費用に関するよくある質問に対して回答します。
遠隔画像診断サービスは安い?
遠隔画像診断サービスは、読影医を常勤で雇用するよりもコストを大幅に抑えられる可能性があります。
読影医を雇用するとなると、給与だけでなく、福利厚生や研修費用を含め、年間1,000万円以上の人件費が発生することが一般的です。
一方、遠隔画像診断支援サービスでは、月額数万円〜の利用料に加え、読影件数に応じた従量課金となるため、年間の総費用を100万円〜300万円程度に抑えられるケースもあります。
また、夜間・休日対応も可能なサービスを選べば、緊急対応の柔軟性も高まることから、運用面での利便性も向上します。
遠隔画像診断サービスの品質は費用と比例する?
遠隔画像診断サービスにおいて、費用と品質は必ずしも比例しません。
高額なサービスがつねに高品質とは限らず、低価格なプランでも、専門医による丁寧な対応が受けられる場合があります。
重要なのは、診断精度・納品スピード・緊急対応の有無・カスタマーサポートの質・実際の利用者の評価といった複数の視点でサービスを評価することです。
資料請求や問い合わせを通じて、自院が抱えるニーズに合致するかどうかを確かめましょう。
遠隔画像診断サービスのコスパや費用対効果は?
遠隔読影サービスは、診療体制の強化やコスト削減の両面で優れた費用対効果を発揮します。
常勤医の雇用と比較すると、年間の支出が数分の一に抑えられるうえ、夜間や休日の対応を含めた柔軟な運用が可能になります。
また、専門性の高い読影会社に依頼することで、読影の質も高水準に保つことができます。
ただし、緊急対応の有無や契約内容によっては、追加費用が発生するケースもあるため、契約前のシミュレーションは必須です。
自院の読影件数・対応範囲・納期要件を整理し、何を優先すべきかを明確にすることで、最適なコスパを実現できるでしょう。
遠隔画像診断サービスならY’s REPORT CLOUD
Y’s REPORT CLOUDは、初期費用・月額費用ともに無料で利用できる遠隔画像診断サービスです。
クラウド型で提供されるため、導入にあたって専用機器やサーバの準備は必要なく、一般的なネットワーク環境のみで導入可能です。
さらに部位やスライスによる加算もなく、費用を抑えながら放射線診断専門医による遠隔読影サービスを利用できます。
2週間の無料トライアルも実施しているため、遠隔読影サービスの導入・乗換を検討中の方はぜひ一度お試しください。
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