熱中症も画像診断を|重篤な症状の場合に採る方法
皆さん、熱中症対策はされていますか?
今年の夏も、日本は厳しい暑さに見舞われています。
気象庁の発表によると、7月から9月にかけての平均気温は全国的に平年よりも高くなる見通しです。昨年2023年の夏は、統計開始以来最も暑い夏と記録されましたが、2024年もその記録に匹敵するか、それを上回る可能性があるとされています。
この暑さの主な原因は、地球温暖化の影響による大気全体の温度上昇と、ラニーニャ現象に近い海面水温分布が挙げられます。これらの現象により、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、猛暑日が続出することが予想され、熱中症の大きなリスクとなると予想されています。
熱中症は、高温多湿の環境下で発生する体温調節障害であり、脱水や電解質の不均衡などが原因で様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
熱中症の診断には、患者の症状と医師の臨床的判断が重要ですが、特定の状況下では画像診断が必要となることがあります。
熱中症の症状は、軽度のものから重度のものまで幅広く、めまい、頭痛、吐き気、筋肉の痙攣、意識障害、さらには生命を脅かす熱射病に至るまで様々あります。
※「熱中症」の他にも似たようなもので、「日射病」「熱射病」などという言葉をよく聞くようになりますよね。
これらの言葉の違いをみなさんはご存知でしょうか。質問されたら答えられない人も多いのではないでしょうか。
熱中症:高温多湿の環境によって引き起こされる体調不良の状態
日射病:直射日光が原因の熱中症
熱射病:重度の熱中症
このように分けられているようです。
これらの症状は他の疾患との鑑別が必要な場合もあり、その際に画像診断が役立つことがあります。
例えば、意識障害や全身の痙攣などの重篤な症状が見られる場合、脳の病気や他の重大な問題の可能性を排除するために、頭部CT検査やMRI検査を行う必要があります。
その他、熱中症疑いの方で排尿していないにもかかわらず膀胱に尿が溜まっていない場合は体液量が減っていることになり脱水を疑うことができます。このようなときは超音波検査で膀胱を見ると溜まっているか溜まっていないかわかるので間接的に脱水と判断することができます。
熱中症の画像診断は、熱中症という直接的な判断はできませんが、その他の病態を除外したり脱水の有無などを画像から判断することができる検査で、熱中症の診断と治療計画の策定において重要な情報を提供することができます。
熱中症は、特に夏季に多く発生する健康問題であり、高齢者や乳幼児、持病を持つ人々にとっては特にリスクが高いとされています。したがって、リスクが高い人々や、屋外での長時間の活動を行う人々は、熱中症の兆候に注意を払い、予防策を講じることが推奨されます。
また、熱中症のリスクを減らすためには、日常生活における意識と行動の変化が求められます。
暑い日が続く中で、私たちは自分自身と周囲の人々の健康を守るために、熱中症に関する知識を深め、適切な対策を講じることが重要です。
熱中症は予防可能なものであり、適切な対応によって重篤な健康問題を回避することができます。夏を安全に楽しむためにも、熱中症に対する正しい理解と対策が不可欠です。
以上、熱中症と画像診断でした。
熱中症は一度かかってしまうと何日も影響が出てしまうので、注意したいですね。夏を楽しむためにも水分補給などの予防を欠かさないようにしたいものです。