― ドクターに信頼される、放射線技師の読影所見の伝え方 ―

記事の監修医師
【略歴】
熊本大学医学部卒業
【資格/役職】
放射線診断専門医 医学博士
株式会社ワイズ・リーディング 代表取締役兼CEO
医療法人社団 寿量会 熊本機能病院 画像診断センター長
熊本大学医学部 臨床教授
ラジエーションジャーナル編集部の林です。
「画像は読めるようになってきたけど、それをどうドクターに伝えたらいいの?」…これ、新人技師さんがぶち当たる最大の壁ですよね。
「生意気だと思われないかな?」「もし間違ってたら恥ずかしい…」なんて迷っている間に、ドクターが画像を見終えてしまうことも。でも、勇気を出した一言が、患者さんの運命を変えることがあるんです。
ドクターに「君、頼りになるね!」と言わせるための”3つの伝え方テクニック“を伝授します!
1. 「結論」から話し、自分の「主観」を混ぜない
ドクターは常に多忙です。まずは一番伝えたい「事実」をズバッと伝えましょう。その際、「〜だと思います」という曖昧な表現より、見たままの状態を伝えるのがコツです。
- NGな伝え方: 「えーっと、さっきの患者さんなんですけど、なんとなく肺に線が入っているような気がして、気胸っぽい感じがしなくもないんですが…」
- 信頼される伝え方: 「〇〇さんの胸部XP、左肺野に線状陰影を認めます。ご確認いただけますか?」
先輩の実録エピソード: 「昔、ドクターに遠慮して『ここ、ちょっと変な気がします…』ってモゴモゴ言ったら、『結局どっちなんだ!』って怒鳴られました。。。それから、勇気を持って異常がある場所と状態をハッキリ言うようにしました。結論から言うようにしてからは、ドクターの手が止まる確率が格段に上がり、先生から話しかけられるようになりました。」
2. 「疑問形」でドクターのプライドをリスペクトする?
「ここ、折れてますよ!」と断定するのは、診断権を持つドクターに対して少し角が立つことも。そんな時は、「教えてください」というスタンスでパスを出しましょう。
- 「相談」の形をとる: 「ここの骨折線のようなライン、僕には判断が難しかったのですが、先生はどう思われますか?」
- 「確認」の形をとる: 「再撮が必要か判断したいので、この部位の描出で十分かご確認いただけますか?」
失敗エピソード(先輩の実話): 「自信満々に『先生、これ完全にイレウス(腸閉塞)ですね!』って言ったら、『診断するのは俺だ!』って苦い顔をされたことがありました…。それからは『ニボー(鏡面像)が疑われる所見があるのですが、追加で立位も撮ったほうがいいでしょうか?』って聞くようにしました。そうしたらドクターも『お、よく気づいたな。頼むわ!』って快く応じてくれるようになりました。」
3. 「プラスアルファ(+α)の情報」を添えてパスを出す
画像だけでは見えない「現場の生の情報」を伝えられるのは、直接患者さんに触れた技師だけです。これができるとドクターからの信頼はさらに上がります。
- 痛みの部位を伝える: 「画像上は不鮮明ですが、患者さんはこの部分をピンポイントで痛がっていました」
- 撮影時の状況を伝える: 「体動が激しく、これ以上の静止が難しかったため、この画質が限界でした」
先輩の実録エピソード: 「高齢の方の転倒による大腿骨撮影で、画像にはハッキリした骨折が見えませんでした。でも、ドクターに『画像には出にくいですが、足を動かすと激痛を訴えられてました』と一言添えたら、ドクターが『じゃあCTも撮っておこう』となって、結局不全骨折が見つかりました。画像だけじゃない情報を伝える大切さを痛感した事例となりました。」
最後にあなたへ伝えたいメッセージ
「技師が口出ししていいのかな…」なんて不安は、今日で捨てちゃいましょう!
私たちは、ドクターの「第二の目」です。ドクターが忙しくて見落としそうな隙間を埋めるのが、”プロの技師”の仕事。
最初は緊張して声が震えるかもしれません。でも、あなたのその「一言」の裏側には、常に患者さんがいます。 「伝えなきゃいけないのは、自分のためじゃなく患者さんのため」 そう思えば、自然と勇気が湧いてきませんか?
少しずつでもいいです。あなたの言葉がドクターに届くたび、チーム医療の質は確実に上がっていきます。自信を持って、その画像を、その所見を伝えていきましょう!応援しています!