― 先輩をうならせる、画像読影の第一歩 ―

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記事の監修医師

中山 善晴

【略歴】
熊本大学医学部卒業

【資格/役職】
放射線診断専門医 医学博士
株式会社ワイズ・リーディング 代表取締役兼CEO
医療法人社団 寿量会 熊本機能病院 画像診断センター長
熊本大学医学部 臨床教授

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ラジエーションジャーナル編集部の林です。

「撮影したら終わり!」…なんて思っていませんか?
実は、曝射後の数秒間、モニターに映し出された画像とどう向き合うかで、あなたの技師としての価値が爆上がりします。

読影(画像診断)はドクターだけの仕事ではありません。
私たち技師が「異常」や「撮影の意図」を誰よりも早く察知することで、救える命があるんです。

今回のコラムでは、診療放射線技師なりたて技師さん必見の先輩たちを「おっ!」と言わせるための3つの読影テクニックを伝授します!


1. 「いつもの正常」を脳内に焼き付ける 🧠✨

「異常を見つけよう!」と意気込む前に、まずは「完璧な正常画像」を自分の中にストックしましょう。どのモダリティ検査でもこれが全ての基本です。

  • 左右を比較:人体は(だいたい)左右対称。迷ったら反対側を見ましょう。
  • 「違和感」を大切にする:「理由はわからないけど、なんかいつもと違う…」その感覚が読影の第一歩です。

先輩の実録エピソード: 「新人の頃、とにかく毎日、暇さえあれば過去の『正常な頭部CT』を何百枚も眺めていました。ある日、撮影直後の画像を見た瞬間に『ん???側頭葉がわずかに黒すぎる?』って直感が働き、先輩に報告したら超急性期脳梗塞でした。先輩から『よく気付いたな!』って言われた時は、震えるほど嬉しかったことを覚えています。」


2. 「臨床情報」「検査目的」という解読ヒントを見逃さない 📝🔍

画像だけを見てクイズを解く必要はありません。電子カルテや検査目的などには「答え」のヒントが山ほど転がっています。

  • オーダー内容を深掘り:頚椎の検査「転倒して痛い」のか「しびれがある」のかで、見るべきポイント(椎体か、椎間孔か)は180度変わります。
  • 過去画像との比較:「今回初めて出た影」なのか「10年前からある影」なのか。これだけで緊急度が変わります。

失敗エピソード(先輩の実話): 「膝のレントゲン撮影で、すごく綺麗な写真を撮って満足していました。でも、ドクターから『これ、一番痛いところが少ししか写ってないよ。』って言われました。カルテをよく読んだら、痛みの中心は膝蓋骨じゃなくて脛骨中央付近だったのです。臨床情報を軽視して『綺麗な写真・画像』を撮ることに自己満足してた自分に反省しました……。」


3. 「撮影の意図」が写っているか、自分で自分を検品する 🧐✅

これができれば中級者への仲間入り!「指示されたから撮った」ではなく、「この病気(怪我)を証明するために、ここを狙って撮った」と言える画像を目指しましょう。

  • 「描出したいもの」を確認: 例えば、大腿骨頚部の骨折疑いなら、正面のレントゲンで可能な限り内旋位のポジショニングを行い、骨折線が判断できる画像が撮れているか。
  • 「隠れていないか」を確認: 脳梗塞疑いの頭部MRIなら、拡散強調画像DWIで高信号域がどこにもないか。それが認められる場合は同部位がADCmapで低信号になっているか。

先輩の実録エピソード: 「レントゲンで最初は『とりあえずみたいオーダー部位が照射野に入っていればOK』だと思っていました。でもある時、先輩に『この写真、主治医は何が知りたくてオーダーしたと思う?』って聞かれてハッとした。それからは『異常所見を見つけるぞ!』という意図を持ってポジショニングするように心掛けるようになりました。そうしたら、自然と読影力向上し、先輩からも『撮影うまくなったし、撮ったあと画像しっかり診てるな』って褒められました。」


🌟 最後にあなたへ伝えたいメッセージ

「読影なんて、まだ自分には早い…」なんて思わないでください。 撮影者であるあなたが「最初の目撃者」です。

あなたが異常に気付けば、再撮の手間が省け、診断が早まり、患者さんが救われます。 最初は間違えてもいい、空振りしてもいいんです。「ここ、何か変じゃないですか?」というあなたのその一言が、チーム医療を動かす大きな力になります。

画像を通して患者さんの体の中と対話する。そんなワクワクする読影の世界へ、一歩踏み出してみましょう。あなたの鋭い眼差しが、未来の誰かの命を守ります!