放射線診断専門医による読影レポートには何がかかれているのか?
記事の監修医師
【略歴】
熊本大学医学部卒業
【資格/役職】
放射線診断専門医 医学博士
株式会社ワイズ・リーディング 代表取締役兼CEO
医療法人社団 寿量会 熊本機能病院 画像診断センター長
熊本大学医学部 臨床教授
CTやMRIなどといった画像診断で大切な役割を果たすのが、読影レポート。内科や外科といった診療科が画像診断の検査依頼を出し、患者の画像を撮った後、読影医が異常の有無などを記入するものです。
病院内の画像診断では放射線科の専門医がレポートを書き、遠隔画像診断の場合はサービスを提供する企業などに属する放射線専門医が書きます。
読影レポートについてあらためて大切なポイントを押さえておきたい医師や放射線技師の方、画像診断の方法について検討する医療事務の方に向け、読影レポートの内容や注意点を紹介します。
読影レポートの基礎知識|何が書かれているのか?
読影レポートとは、主に患者情報、検査内容を基に、所見、診断的考察、そして診療方針をまとめた文書です。
まず、検査を依頼する側が診療科名、検査日時などの基本情報を提供します。
検査を行った側は、使用した撮影の種類や条件、造影剤の使用の有無、検査の前提などが明確にされます。レポートの中心は、画像所見の詳細が述べられ、異常があればその位置、大きさ、形状、特徴が具体的に示されます。
その後、所見に基づき、考えられる診断や鑑別診断が記載され、臨床との関連性が考察されます。最後に、診療方針として、追加検査や生検、フォローアップの提案が行われ、画像を基に今後の治療方針に役立つ具体的なアドバイスが提供されます。
このように、読影レポートは患者の治療に直結する重要な情報源となります。
項目 | 具体的な内容 |
患者に関する情報 | 患者名、年齢、性別、患者IDなど |
診断の方法などの情報 | 検査日、検査番号、検査方法、部位など |
画像診断をする目的 | 診療科医が疑っている疾患、関心領域 |
所見 | 読影医による所見 |
読影結果 | 読影医による結論 |
読影医に関する情報 | 医師名、レポート作成日など |
画像 | 撮影した画像 |
読影レポートの注意点|見落としを防ぐために
画像診断は患者の状態を正確に把握するために非常に有効な手段ですが、多忙な環境やシステム上のタイムラグによって、レポートの見落としが生じることがあります。たとえば、診療医師の担当患者が多いと読影結果を確認しそびれる場合があり、また電子カルテでは画像そのものをすぐ閲覧できても、読影医のレポート作成には時間を要するため、その間に読み忘れが生じる可能性があります。
こうしたリスクを減らすため、大阪大学大学院医学系研究科の武田理宏教授が提唱する三つの原則が重要です。第一に、医師は自らが疑う疾患や治療中の病態を意識して画像検査をオーダーすること。第二に、オーダーした以上、撮影画像と読影レポートを必ず確認すること。第三に、患者へ結果を説明し、診療記録に反映させることです。これらを徹底することで、見落としを防ぎ、適切な治療や経過観察につなげることが可能になります。
読影レポートの見落としを防ぐための方法となる「遠隔画像診断」
遠隔画像診断は、病院や診療所で撮影された医用画像を専門の放射線科医が遠隔地から読影・診断する仕組みであり、読影レポートにおける見落としなどのミスを防ぐうえで非常に有効です。
たとえば放射線科を有する大規模医療機関の場合でも、遠隔画像診断を併用すれば、読影件数が集中する時間帯や緊急対応などの負担を分散でき、プロセス上のヒューマンエラーを減らす効果が期待できます。また、院内システムと連携可能な遠隔画像診断サービスでは、画像の読影結果がタイムリーに担当医へ通知されるため、レポートの読み忘れや見落としの発生リスクも抑えられます。
一方で、放射線科を設置する余裕のないクリニックなどでも、遠隔画像診断を導入すれば専門医による所見を得ることが可能となり、画像診断の品質が向上するとともに安全性の確保にもつながります。
「最大四重チェック」で円滑な画像診断につなげるY’s REPORT
ワイズ・リーディングは、オンプレミス型の「Y’s REPORT」とクラウド型の「Y’s REPORT CLOUD」という二つの遠隔画像診断サービスを提供しています。
読影プロセスでは、依頼内容の確認、一次読影、校正チェック、そして必要に応じた二次読影という最大四重チェックを実施し、経験豊富で専門性の高い医師が正確かつ信頼性の高いレポートを作成します。さらに、適切なコミュニケーションを通じて情報共有を徹底し、読影精度の維持に努めているのが特長です。また、院内システムとの連携やカスタマイズも可能なため、診療科医は読影レポートをタイムリーに確認でき、タイムラグによる読み忘れや見落としが防げます。
高品質の遠隔画像診断を求める医療機関・医師の方に、ぜひ知っていただきたいサービスです。
画像診断の要となる読影レポート
画像診断の要となる読影レポートは、とりわけ読影医が示す所見と診断結果が重要な意味を持ちます。診療科医が多忙を極めるなか、検査の手配やイレギュラーな業務との兼ね合いで、せっかく作成されたレポートを読み忘れたり、内容を見落としてしまうケースが起こり得ます。
こうした事態を防ぐには、どのような状況でも結果を必ず確認し、診療に活かす体制を整えることが欠かせません。
その一つの方策として有効なのが遠隔画像診断サービスの導入です。たとえばワイズ・リーディングの「Y’s REPORT」や「Y’s REPORT CLOUD」では、依頼内容の確認から一次読影、校正チェック、そして必要に応じた二次読影という最大四重チェックを通じて、精度の高いレポートを提供しています。さらに、院内システムとの連携により読影結果がタイムリーに共有されるため、読み忘れや見落としを大幅に減らし、診療の質と安全性の確保に寄与します。